企画の基本的な考え方
コンテンツ企画では、ユーザー視点とビジネス視点の両方を考慮して、相互の要求を満たすことが重要です。
まず、ユーザー視点では、どのような目的を持った人が、どの経路やチャネルを通じてコンテンツにたどり着いたのかを考えます。ユーザーが求める情報やニーズを把握し、それに応えるコンテンツを提供することが目指すべきです。
次に、ビジネス視点では、どのような情報を提供し、ユーザーにどのようなアクションを期待するのかを考えます。提供する情報はビジネスの目標や価値を反映し、ユーザーが望む行動につながるようなコール・トゥ・アクションを設けることが重要です。
コンテンツのプランニングには、ブログコンテンツや商品・サービス紹介、広告からのランディング先ページなどさまざまなタイプがありますが、これらの共通の前提となる要素に注目し、それぞれの特徴に合わせた戦略を考えていきましょう。
ユーザー視点で考える
ユーザー視点では、ターゲットユーザーのニーズや期待を理解し、コンテンツをそのニーズに応える形で設計することが求められます。以下の要素に注目すると良いでしょう:
ターゲットユーザーの目的
ユーザーがコンテンツを閲覧する目的や求める情報を明確に把握しましょう。例えば、特定の問題の解決策を探しているのか、知識や情報を学びたいのか、エンターテイメントを求めているのか、などを考慮します。
接点の特定
ユーザーがどのような経路やチャネルを通じてコンテンツにたどり着いたのかを把握しましょう。
検索エンジンから来たのか、ソーシャルメディアのリンクから来たのか、広告から来たのか、他のウェブサイトから来たのかなどにより、ユーザーの行動傾向は異なります。接点の特定により、ユーザーの関心や情報の需要をより正確に把握することが重要です。
ビジネス視点で考える
ビジネス視点では、コンテンツを通じてどのような目標を達成し、ビジネスの成果を生み出すかを考慮します。以下の要素に注目すると良いでしょう。
提供する情報
ビジネスの目的や価値を反映する情報を提供しましょう。自社の製品やサービスに関する情報や、業界の知識や専門的な見解、トレンド情報など、読者が興味を持つであろう情報を適切に提供します。
期待するアクション
コンテンツを通じて読者にどのようなアクションを促したいのかを明確にしましょう。
例えば、特定の商品の購入や問い合わせの送信、メーリングリストへの登録など。目的に応じたコール・トゥ・アクション(CTA)を適切に配置し、読者に次のステップを促しましょう。
コンテンツ企画のテクニック
ユーザー視点とビジネス視点の両方を考慮することで、コンテンツはターゲットユーザーのニーズに応えつつ、ビジネス目標の達成にも貢献するものとなります。
つづいて、コンテンツ内容を具体的に考えていくためのテクニックについてご説明します。
ユーザーシナリオ、カスタマージャーニーから考える
ユーザーシナリオとは、ユーザーがコンテンツを閲覧する状況や目的を想定したストーリーです。
カスタマージャーニーは、ユーザーがコンテンツに接するまでのプロセスや行動の流れを示したものです。これらを考慮することで、ユーザーのニーズや期待に応えるコンテンツを作成することができます。
検索起点で「知りたいことは何か」を考える
ユーザーが検索エンジンで入力するキーワードやフレーズを考えることは重要です。ユーザーは特定の情報や解決策を求めて検索を行っていますので、それに応えるコンテンツを提供することが求められます。
キーワードやフレーズの選定には、キーワード調査ツールを活用することも有効です。キーワードに対する検索意図を考える事で、どのような情報が必要とされているかを読み解き、コンテンツ内容を考えていくとよいでしょう。
WEB広告起点で「興味を持ったこと」を考える
検索キーワード以外の接点として、ターゲティング広告をきっかけにランディングページに訪れるケースも考慮しましょう。
広告オーディエンスの心理を考慮したページ構成では、以下の要素に注目します。
- 広告との一貫性の保持: 広告内容とページの一貫性を保つことで、ユーザーが期待する情報を迅速に提供します。
- 関心のある情報の階層的な配置: ユーザーの関心の高い情報をページの上部に配置し、重要な情報へのアクセスを容易にします。
- 視覚的な引きつけ: 鮮明な画像や引用、魅力的なデザイン要素などを活用して、ユーザーの注意を引きます。
- シンプルなメッセージ: 簡潔で分かりやすいメッセージを伝えることで、ユーザーの情報理解をスムーズにします。
- 信頼性の組み込み: 第三者の推奨や権威的な情報を取り入れることで、信頼性を高めます。
検索起点と比較して、ターゲティング広告による接触では情報へのインパクトが求められる点に留意し、ユーザーの感情に訴える魅力的なページを作りましょう。
興味のつながりを考える
コンテンツの中で関連性のある情報を提供することで、読者の興味を引きつけることができます。例えば、関連するトピックやテーマのリンクを設置したり、関連するコンテンツを紹介したりすることで、読者をさらに深い知識へと導くことができます。
この中に、ユーザーへの行動要請(CTA: Call to Action)を入れていくのですが、興味が深まっていない段階でいきなり成果につなげようとしても、ユーザーは思ったように動いてはくれません。
CXデザインとしては、このあたりが勘所です。ユーザーは何を求めているのかを考え、ユーザーの理解や興味の度合いに応じた情報提供と、適切なオファーの設計が重要です。
結局のところ、ユーザーが求める情報でなければ、いくら視覚刺激を与えても態度変容につながることはない、ということですね。
コンテンツのトピックは幅と深さ、独自性で考える
幅広い読者に対してアピールするためには、幅広いトピックをカバーするコンテンツが有効です。一方で、特定のトピックについての深い知識や情報を提供することも重要です。幅と深さをバランス良く取り入れることで、多くの読者に価値のある情報を提供できます。
また、数多あるページの中で、自社ならではのユニークな情報を盛り込む事も重要です。他社にはない専門性や技術、文化などに基づく視点でオリジナリティのある記事を書くことを心がけましょう。
データや事実などの説明として図版や記事を引用をする場合は、引用文であることと引用元を明記します。著作権の扱いについては、また別の機会にご説明しようと思います。
体験価値を提供できているかを確認
これらの視点は検索エンジンがコンテンツを評価する際のポイントでもあり、いわゆるSEOの対策としても有効な考え方です。もちろんSEO対策を織り込むのは大切なのですが、上位化対策ばかりに気を取られてしまうのは要注意です。最終的には読者にとっての体験価値を提供できるかが重要ですから、プライオリティがどこにあるのかを考慮して進めていきましょう。
つまり、読者がコンテンツを通じて学びや情報を得たり、解決策を見つけたり、エンターテイメントを楽しんだりすることができれば、コンテンツは成功と言えます。ユーザーのニーズや期待に応えることを意識し、価値ある情報やエンゲージメントを提供するように心がけましょう。