WEBサイトの発注につきまとう不安要因
ウェブ制作を依頼する際に不安を感じる理由はさまざまですが、以下に一般的な要因を挙げてみましょう。
未知の領域
ウェブ制作が初めての経験だったり、技術的な知識が限られている場合、プロセスや用語が理解しづらいため不安を感じることがあります。文字面で意味が伝わらないカタカナ用語や3文字略語などが多いので、なおさら不安を感じる原因になっていると思います。
予算とコスト
制作費用の見積もりがわからなかったり、自分の予算に合うかどうか心配になることがあると思います。会社によって費用感がピンキリに見えて根拠がわかりにくいことや、高額な費用を払うことに対する不安も考えられます。
クオリティと成果物
制作会社の能力や過去の実績に対する信頼が持てない場合、クオリティの低さや成果物が期待通りにならないのではないかという不安があると思います。同じ会社でもデザイナーによって持ち味が違うこともあり、評価しにくい事も不安な要素かもしれません。
コミュニケーションと進捗
プロジェクトの進捗状況やコミュニケーションが不十分だと、自分の要望やニーズが正しく伝わらないのではないかという不安が生じることがあります。また、どのような進め方になるのか、どこまで相談に乗ってもらえるのかも不明瞭な事が考えられます。
技術的な問題
ウェブサイト制作には技術的な要素が含まれるため、技術的な問題やトラブルが発生する可能性があることから不安を感じることがあります。開発の難易度など技術的なレベル感がわからないこと、どういう部分が難しくてどういう部分が簡単なのかもわからないため、開発期間や費用の見積がしにくい事もあると思います。
期限と遅延
プロジェクトが期限を守れない場合、事業の計画やスケジュールが狂ってしまう可能性があり、不安になることがあります。要望している制作期間が適正かどうかも判断がしにくいと思います。
競争と選択肢
制作会社を選ぶ際に選択肢が多すぎてどの会社が自分にとってベストなのか判断が難しいという不安が生じることがあります。
WEB制作を不安なく依頼するために
これらの不安を軽減するためには、以下のようなアクションが有効です。
- 制作会社とのコミュニケーションを活発に行い、要望や不安をしっかり伝えることが大切です。
- 制作会社の評判や実績を調査し、信頼性のあるパートナーを選ぶことが重要です。
- 見積もりに関する疑問点や費用の詳細について質問することで、予算に対する不安を軽減できます。
- プロジェクトの進捗状況を定期的に確認し、適切なフィードバックを提供することで、成果物が自分の期待通りになるようにコントロールできます。
不安を解消するためには、知識を深めることや適切なパートナーシップを築くことが重要です。
WEB制作の依頼から納品までの流れ
この章では、ウェブ制作を依頼する際の一般的なステップ、流れをお伝えします。
プランニングと要件定義
最初に、ウェブサイトの目的、ターゲットオーディエンス、機能、デザインの希望などを明確にします。このステップで、プロジェクトのスコープや要求事項を整理しましょう。
提案依頼をする
プロジェクトの要件や予算について十分に詳細な情報を提供し、適切な質問を含めて提案を求めることが重要です。また、提案を受ける際には提案文書だけでなく、実際にコミュニケーションをとることも検討しましょう。これによって、提案会社との相性やコミュニケーションの円滑さも確認できます。
こちらの記事もご参照ください。
ウェブ制作会社の選定
ウェブ制作会社を選ぶ際には、ポートフォリオや過去のプロジェクト成果、クライアントの評判などを調査することが大切です。複数の会社とコミュニケーションを取り、提案や見積もりを受けることで、どの会社が自分のニーズに合うか判断できます。
見積もりと契約
選んだ制作会社から提案や見積もりを受けます。見積もりにはプロジェクトのスコープ、デザイン、開発、テスト、納期などの詳細が含まれます。価格に関する透明性が重要です。適切な見積もりを受けたら契約手続きを進めます。
ドメインやサーバの準備
ドメインはウェブサイトのアドレスや識別子です。適切なドメイン名を選び、取得・登録します。また、ウェブサイトをホストするためのサーバの準備も必要です。開発環境と本番環境について、制作会社に方針を相談してください。
デザインと開発
デザインの前に戦略立案やコンテンツ企画、詳細設計といった要件定義が入る場合もあります。デザインフェーズでは、ウェブサイトのデザインやユーザーインターフェースを制作します。開発フェーズでは、デザインを基にコーディングやプログラミング作業が行われます。
テストと修正
制作されたウェブサイトをさまざまな環境でテストし、バグや表示の不具合を修正します。ユーザビリティのテストやセキュリティのチェックも行います。
公開とアフターケア
テストが完了したら、ウェブサイトをライブ環境に公開します。その後も必要ならばコンテンツの更新や保守作業を行い、ウェブサイトの品質を維持します。
予算とスケジュール感
期間や費用に関しては、プロジェクトの規模や要件、制作会社の経験などによって大きく異なります。簡単なランディングページから複雑な企業向けポータルサイトまで幅広いプロジェクトがありますので、一概には言えません。一般的なウェブサイトの制作期間は数週間から数ヶ月、費用は30万円程度から1000万以上までと幅があります。中身はほとんど技術料を含む人件費ですから、関わる人数と所要時間によります。したがって、少量で簡単なものは安く、大規模で複雑なものは高額になります。
ウェブ制作会社とのコミュニケーションを通じて、具体的な目標や要求事項を共有し、それに基づいて見積もりとスケジュールを決定することが重要です。また、複数の会社から見積もりを受けて比較することで、適切な選択ができるでしょう。
WEBサイト制作のステップ
では次に、コーポレートサイトなどのWEB制作の流れを見ていきましょう。専門的な設計思想や技術についてご興味があれば、他の記事もご参照ください。
プランニングと要件定義
最初に、ウェブサイトの目的やターゲットオーディエンス、機能、デザイン要件などを明確にします。プロジェクトの範囲を確定し、必要なコンテンツや機能を洗い出します。
コンテンツ作成
ウェブサイトに表示されるテキスト、画像、ビデオなどのコンテンツを制作または収集します。SEOに配慮して適切なキーワードを組み込んだコンテンツを作成することも大切です。
ドメインやサーバ、開発環境構築
新規ドメインの取得やサブドメインの設定などが必要であれば準備します。ウェブサイトをホストするためのサーバも必要があれば契約し、技術要件を満たす開発環境と本番環境を構築します。
ウェブサイトのデザイン
ウェブサイトのデザインを考えます。カラースキーム、レイアウト、フォントなどのデザイン要素を決定し、ワイヤーフレームやプロトタイプを作成して、全体のビジュアルイメージを確立します。
ウェブサイトの開発
デザインを基に、HTML、CSS、JavaScriptなどの言語を使用して実際のウェブページを開発します。レスポンシブデザインを適用して、異なるデバイスや画面サイズに適した表示を実現します。
バックエンドの開発
ウェブサイトに特別な機能提供を求められたり、インタラクティブな要素やデータベースと連携する場合、バックエンドの開発が必要です。サーバーサイド言語(例: PHP、Python、Ruby)やデータベース(例: MySQL、MongoDB)を使用して、動的なコンテンツを生成します。
テストとデバッグ
完成したウェブサイトをさまざまなブラウザやデバイス、解像度でテストし、バグや表示の不具合を修正します。フォームの動作確認やセキュリティのテストも行います。
SEOとアナリティクスの設定
検索エンジン最適化(SEO)を考慮して、適切なメタデータを設定し、サイトマップを提出します。また、ウェブサイトのパフォーマンスや利用状況をトラッキングするためにアナリティクスツールを導入します。
公開
テストが完了したら、ウェブサイトをライブ(本番)環境に公開します。公開方法によって確認プロセスが若干異なりますが、重要な機能などの動作テストを、本番環境でも再度実行して確認します。
保守とアップデート
ウェブサイトの公開後も定期的にコンテンツの更新やセキュリティのチェック、バックアップの取得などを行い、ウェブサイトの品質を維持します。
スケジュールの考え方
前章で示したとおり、ウェブサイト制作は多くのステップから成り立っています。そのため、各ステップごとに時間がかかる時間を積算すると、相応の開発期間が必要という事になります。
ウェブサイト制作のプロジェクトはその規模や要求事項によって異なりますが、提案された企画やデザインを評価・検討する時間などを考慮すると、数週間以上かかることは珍しくありません。
以下に示した一般的なステップごとにかかる日数の目安を考えてみましょう。ただし、これはあくまで一般的な目安であり、プロジェクトの与件により異なります。
調査と分析
プロジェクトの要件定義や競合分析など、調査と分析には数日から1週間ほどかかることがあります。アンケート調査などが入る場合は数週間という事もあるでしょう。
アウトプットの作成
ワイヤーフレームやプロトタイプの作成など、アウトプットの準備にも数日から1週間ほどかかるかもしれません。
アウトプットへのフィードバック
制作会社とのミーティングやコミュニケーションを含めて、数日から1週間ほどかかることがあります。
フィードバックの解決とアウトプットの修正
顧客からのフィードバックに基づいてアウトプットを修正する作業にも数日から1週間ほどかかることがあります。
これらのステップを組み合わせて積算すると、数週間から数ヶ月の時間がかかる可能性をご認識いただけますでしょうか。プロジェクトの進行や期限を適切に管理するために、各ステップごとの進捗状況を把握し、適宜調整することが重要です。
具体的なスケジュール目安
具体的な目安としては、例えばランディングページであれば3週間〜1ヶ月程度、5ページ程度のサービスサイトであれば1.5ヶ月〜2ヶ月程度、10ページ程度でCMSの入るコーポレートサイトであれば2ヶ月〜3ヶ月程度、大規模なサイトであれば半年〜1年という感じになります。
プロジェクトのスケジュールを管理する際には、優先度を考慮して作業を進め、必要に応じてリソースやスタッフの配置を調整することも検討しましょう。また、クライアントとのコミュニケーションを円滑に行うことで、フィードバックや調整が効率的に行われることも重要です。
WEBサイト制作の目的を忘れずに
ざっくりと流れの説明だけだと抜け落ちてしまうのですが、WEBサイトは作って終わり、ではありません。WEBサイト制作はあくまでビジネスの目的やゴールを達成するための手段の一つであるということを強調しておきます。ウェブサイトはビジネスの道具として、具体的な戦略やロジックに基づいて設計・開発されるべきです。
ウェブサイトをビジネスの目的に合わせて最適化するためには、戦略と改善運用が重要です。複数の記事でしつこく書き続けています(笑)ので、合わせてご参照ください。
目標設定
ウェブサイトには何を達成したいのか、具体的な目標を設定します。例えば、売上の増加、顧客エンゲージメントの向上、情報提供などです。
ターゲットオーディエンス
ウェブサイトを利用する主なユーザー層やターゲットオーディエンスを明確にし、彼らのニーズや要求を理解します。
戦略の策定
戦略とは、競合に対して優位性を構築し、顧客に選ばれる事を指します。目標やターゲットオーディエンスに基づいて、ウェブサイトのコンテンツ、デザイン、機能、ユーザーエクスペリエンスなどを計画します。
ユーザーエクスペリエンスの最適化
ユーザーがウェブサイトを使いやすく、ストレスなく利用でき、目的を達成できるような設計を行います。
コンバージョン戦略
ウェブサイト内でユーザーが望む行動(購入、問い合わせ、登録など)に誘導するための戦略を立てます。
データ分析と改善
ウェブサイトの効果を測定し、データに基づいて改善を行います。アクセス解析やコンバージョン率の追跡などが含まれます。
ウェブサイトがビジネスの目的を実現するためには、単なる見た目や技術だけでなく、戦略的なアプローチが必要です。ビジネスのニーズを理解し、そのニーズに合わせたウェブサイトを制作することで、より良い結果を得ることができるでしょう。